懲戒解雇と退職金

懲戒解雇と退職金

懲戒解雇と退職金

今回会社に迷惑をかけ、懲戒解雇になってしまいました。会社から、「懲戒解雇なので退職金は支払わない」と言われたのですが納得できません。本当に退職金はもらえないのでしょうか。

懲戒処分は、処分理由とこれに対する懲戒の種類・程度が、就業規則上明記されていなければなりません。懲戒解雇者に対し退職金を支払うか否かについては、就業規則の退職金規程により決まりますが、全額不支給とすることがほとんどです。 とはいえ、懲戒解雇の事由がいかなるものであっても全額不支給と定めていればいいというわけではありません。

 

処分は、違反の種類・程度等に照らして相当なものでなければならないとし、 多くの判例では、相当性の有無の問題が検討されています。不支給規程が有効に適用できるのは、退職金が永年勤続の功労を抹消してしまうほどの著しく信義に反する場合に限られるとしています。

 

まずは、 就業規則の懲戒解雇規定の有無、理由の具体性・客観性を確認して下さい。次に、退職金規定に支給制限(減額)規定があるかを確認しましょう。就業規則上に、懲戒解雇に関する規定があるときは、その規定の制約を受けます。就業規則により懲戒解雇になっても、労働基準監督署の除外認定を受けなければ、労働基準法第20条の解雇の手続き(30日以上前の予告または30日分以上の平均賃金の支払い)が必要になります。

 

次に、懲戒解雇理由を記載した解雇通知書の交付を求め、交付がなされないときは、労働基準法第22条に基づく退職時の証明を請求するとともに、会社側の説明をできるだけ記録しましょう。これらにより懲戒解雇理由を明確にし、退職金不支給(減額)処分の運用が恣意的で濫用されていないか、検討して下さい。

 

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