解雇が制限される場合

解雇が制限される場合

解雇が制限される場合

従業員のAが仕事中に事故を起こして負傷してしまいました。半年経っても退院してきませんので、業務に支障が出て困っています。Aを解雇し、代わりの従業員を雇いたいと考えていますが大丈夫でしょうか。

入院中の従業員Aを解雇することはできません。労働者の解雇は、原則として使用者の自由ですが、正当な理由のない解雇は無効とされています。また、労働基準法第19条は下記の期間については、いかなる解雇事由が生じても解雇を制限しています。これは労働者の身分の安定を図り、解雇後の就職活動においても支障をきたすことがないように保護することを目的としています。

 

  1. 業務上の傷病による療養のため休業している期間とその後30日間
  2. 産前産後(産前6週間・産後8週間)とその後30日間

 

ただし、@の場合において、療養開始後3年を超えても傷病が治癒しない場合、次のいずれかに該当すれば解雇制限が解除され解雇することができます。

  • 平均賃金の1,200日分の打切補償を支払う場合
  • 療養開始後3年を経過した日、または同日後において労災保険の傷病補償年金を受けることになった場合

 

天災事変その他やむを得ない事由のため、事業の継続が不可能となった場合は、解雇制限は解除されますが、この場合には、所轄労働基準監督署長の認定を受ける必要があります。なお,通勤途上の負傷による休業については、解雇の制限はありません。

 

したがって、貴社の従業員Aは、業務上の負傷により入院しているわけですから、休業が終了した後30日を経過してから解雇手続きをとるしかありません。

 

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