賃金支払いの原則
給料は理由の如何を問わず、会社は労働者に対し、支給日に全額支払う義務があります。したがって労働者が突然辞めたからといって、会社は賃金の支払い義務をまぬがれるものではありません。
労働者も自由に退職することはできますが、退職するには就業規則等に手続きの定めがあればそれに則って行います。また、特に定めがない場合であれば、退職する日の2週間前までに会社に届け出を行うことが必要です。
本件のように労働者が突然退職し事務引継を怠ったため会社に損害を与えた場合、労働者は会社から損害賠償を請求されることや制裁を課されることも考えられます。
まずは、 会社と話し合い、退職を前提に事務引継等を行うことにより社長との関係の修復をはかり、 その上で給与の支払いを請求してはどうでしょうか。感情的に修復が不可能な場合、給与の支払い請求を内容証明等により行う方法もあります。それでも支払われない場合には、 労基法24条違反で労働基準監督署に申告する方法も考えられます。ただし、前述したとおり、損害賠償の請求や制裁を課される可能性もあります。