有給休暇をとったら給料をカットされた

有給休暇をとったら給料をカットされた

有給休暇をとったら給料をカットされた

先月3日間有給休暇を取りましたが、実際給料をもらってみると、その分の賃金がカットされていました。どうすれ ばいいでしょうか。

年次有給休暇とは、労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持と健康を増進するために、休日とは別に一定日数の休暇を付与する制度です。有給休暇は、労働者が取得することができる法律上の権利です。

 

そして使用者は、有給休暇を労働者が請求する時季に与えなければなりません(時季指定権)。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合には、他の時季にこれを与えることができます。(時季変更権)

 

また労基法上、有給休暇の期間については賃金を支払わなくてはならない(第39条第9項)ことと、 有給休暇を取得したことに対し、会社は賃金減額等の不利益な取扱いを しないようにしなければならない(同法第136条)と規定しています。年次有給休暇については、労働基準法が所定労働日数に応じて最低付与日数を具体的に定めていますので,会社は、「付与しない」ことは勿論、「法が定める最低付与日数より少なく与える」ことも禁じられています。

 

まず次のことを確認して下さい。
@残日数、取得手続き等を就業規則で確認する。
就業規則の有給休暇の付与日数を確認し、あなたの付与日数、残日数を確認します。また、申請手続きは会社の時季変更権の行使を確保するため事前に行うことが多いので確認します。  
A他の時季に取得するよう言われたか。
Bカットされた賃金の内容を確認する。

 

上記の時季変更権が適正に行使された場合は、これに反して取得した年次有給休暇は欠勤扱いとして賃金カットされてもやむを得ないことになりますので、賃金カットされた場合には、その理由を就業規則の賃金規定を見て、その額の妥当性を判断しましょう。

 

以上により、適正に年次有給休暇取得の届け出をし、会社からの時季変更権の行使もなかったにもかかわらず、賃金をカットされた場合は、賃金不払いとして不足額の請求をすることができます。また、制裁規定によらない一方的な賃金カットは、賃金全額払いの原則(同法第24条)にも反することになります。

 

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