パートタイマーの残業や休日出勤
男性と女性の賃金格差が、客観的に仕事量の差から生じるのであれば違法ではありませんが、単に女性であるという理由だけで格差をつけているのならば、違法となります。
我が国では、女性労働者が男性労働者に比べ、社会的・経済的に低い地位におかれてきました。そのため労働基準法は、女性労働者の地位の向上を賃金の面から図る趣旨で「使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない」と定めています。この場合の賃金には、額のみならず、賃金体系、賃金形態も含まれます。
したがって、女性労働者が男性労働者と比較して、一般的に能率が悪いとか、勤務年数が短いからとかいった理由から同じ内容の仕事についている男性労働者よりも女性労働者の賃金を低くすることは、違法な取扱いとなります。ただし客観的な職務の能率、技能などを評価したうえでの賃金の差別は禁止されていません。
しかし、男女労働者の賃金格差が差別的取扱いか否かの判断は、実際はむずかしいケースが多いと思われますが、その賃金格差が、能率、技能などから生じたものであるかの証明は、使用者がしなければならないと考えられています。したがって、使用者は女性労働者から賃金格差について抗議を受けたような場合には、その賃金格差が生じる理由を説明する必要があります。